プロレスのミドコロ

プロレス大好きな管理者が、プロレスのミドコロを丁寧に解説

トンドコロ準(CIMAプロデュース)

W-1というプロレス団体で活躍している「トンドコロ準」選手をご存知でしょうか?

まだ20歳前の若い選手ですが、身体能力や動きに天性のものが感じられるレスラーで、私の個人的な「今後活躍しそうな選手」リストの上位です。

そのトンドコロ選手をうま~くプロデュースしているのが、現在W-1に外敵として参戦しているストロングハーツのCIMA選手です。

昨年6月、ストロングハーツがW-1のリングに初めて上がりました。

(ストロングハーツ:ドラゴンゲートで活躍していたCIMA・T-Hawk・エルリンダマンを中心としたユニット)

その時に「何しに来たんだコラー」とリングに上がって対抗したのが、W-1社長の「カズ・ハヤシ選手」と、若手の「頓所(トンショ)準選手」でした。

そして組まれた対抗戦第1弾。

CIMA選手と頓所選手のシングルマッチが組まれ、結果はCIMA選手の圧勝。これはキャリアを考えると仕方のないところでしたが、頓所選手も試合の中でキラリと光るものを見せてくれていました。

「頓所」から「トンドコロ」への改名

その後、頓所選手はことあるごとに「CIMAは俺が倒す」と口走るようになり、ストロングハーツとの対抗戦には欠かせない選手となっていきます。そして5VS5のタッグマッチで、頓所選手がCIMA選手を失格に追い込む、という結果を出します。

その結果を引っ提げて、頓所選手はCIMA選手に再戦を迫りました。CIMA選手は「自分の出す条件を飲むならやってやる」と言い、頓所選手も「何でもやってやる」と応戦します。その条件は試合当日に明かされることになりました。

そして迎えた試合の日、CIMA選手の出した条件は、頓所選手が負けた場合「頓所」から「トンドコロ」に改名することでした。

頓所選手はやる気満々。ですが社長のカズ・ハヤシ選手が待ったをかけ、今度はカズ選手からCIMA選手に対して「頓所選手がフォールした場合、2カウントで勝利とする」という条件を逆に突きつけました。CIMA選手はこれを受諾。お互いにリスクのある試合がスタートします。

頓所選手は素早く何度もフォールを仕掛けますが、CIMA選手はことごとくクリア。百戦錬磨のベテランの動きで頓所選手から勝利しました。

新たな仕掛け

 CIMA選手の勝利で改名が決まってしまいましたが、カズ選手は社長として必死に止めようとします。

CIMA選手は会場を味方につけ、まずは「頓所コール」をあおります。これがまばらなコールに。続いて「トンドコロコール」をあおると、会場から大きなコールが聞かれました。(この辺り、CIMA選手はさすがです)

これがW-1の観客が求めているものだ、とトンドコロ選手・カズ選手に迫り、さらには「改名させただけでは終わらせない。ちゃんと責任を取ってW-1を盛り上げる」と、トンドコロ選手とのタッグ結成を持ち掛けます。

トンドコロ選手は最初は拒んでいましたが、最終的には「W-1が盛り上がるなら」と受諾しました。このタッグ結成は、トンドコロ選手のストロングハーツ加入を意味するものではなく、あくまでW-1の選手としてCIMA選手と組むだけ、とされていました。

 

そして迎えた初タッグの初戦。

ギクシャクしながらもまずまずの連携を見せていたCIMA選手とトンドコロ選手ですが、試合中盤に一人の覆面男が乱入。最初はCIMA選手に突っかかっていくような姿勢を見せますが、お互いにやりあうように見せておいてから結託。二人でトンドコロ選手に攻撃を繰り出し、試合を壊してしまいました。

覆面男の正体は、ケガで欠場していたW-1所属の吉岡世起選手。CIMA選手は以前から「W-1の中にストロングハーツのスパイがいる」と発言しており、この試合の中での発表となったわけです。

トンドコロ選手は、完全にダシに使われてしまった格好となりました。

CIMAとの名前を取り戻す戦い

その後も「トンドコロ準」というリングネームで試合を続けているトンドコロ選手。CIMA選手は「名前は俺が預かっている」と発言し、トンドコロ選手がシングルマッチでCIMA選手に勝利した時、「頓所」に戻すことができる雰囲気が出来上がっています。

ストロングハーツとの対抗戦はまだまだ続きそうな気配で、トンドコロ選手が活躍するシーンは数多くみられそうです。

また「クルーザーフェス」という中量級の大会では、惜しくも準決勝で敗退してしまいましたが、吉岡世起選手に対して「あわや」の場面を何度も作り出していました。

吉岡選手はクルーザー級の中心選手。その選手との差がかなり小さくなってきていること感じさせてくれる1戦でした。

 

CIMA選手のプロデュースする仕掛けの中で、徐々に才能を開花させようとしているトンドコロ選手。

今後どのような形でトンドコロ選手とCIMA選手の物語が結実してゆくのか。

そんな視点でW-1の大会を見ると楽しめるのではないかと思います。