プロレスのミドコロ

プロレス大好きな管理者が、プロレスのミドコロを丁寧に解説

有言実行の船出と、結果を出せない剛腕~プロレスリングノア 博多スターレーン大会~

博多スターレーン
ノアだけでなく、「DDT」「大日本プロレス」「女子プロレス」など、
様々なプロレスイベントの会場として利用されてきましたが、
ビル自体が閉店してしまうみたいですね。

選手の口々から、
「やりやすい会場だった」
「〇〇の試合をしたところだから、忘れない」など、
残念さや思い出が語られていました。

3.17 ノアとして最後の会場利用になるこの日は、
博多スターレーンメモリアルマッチが組まれるなど、
ビッグマッチに劣らない対戦カードなりました。

 王者の風格

メインイベントは「清宮海斗&拳王」のタッグが発進。

相手は前GHCヘビー級タッグチャンピオン、
モハメド・ヨネクワイエット・ストーム」のファンキーパワーズ
ノアの景色を変えるため、全盛期を凌ぐ未来へと連れていくため、
タッグを結成した2人の試運転としては、格好の相手です。

www.facebook.com


未来を見据えた2人は強かった。
前チャンピオン相手に、パワーは負けていたけど、
内容的には完勝といっていいでしょう。

初タッグである2人がどんな動きをするのか、
相手チームからすれば読みにくい部分はあるのでしょうが、
そこを差し引いても堂々の滑り出しです。

フィニッシュとなった技。
2人で拳を上に突き上げ、人差し指で天を指してから、
清宮選手がバスターのような形で叩きつけたヨネ選手に、
コーナーから拳王選手がフットスタンプ。

強烈です!!
技名がつけられると、もっと馴染みやすくなると思うので、
カッコイイ名前になることを期待。

でも一番「カッコイイ」と思わされたのは、
この連携技が決まった後に、清宮選手がリング上で両手を広げ、
ヨネ選手のパートナーであるストーム選手が
カットに入れないようにしているシーン。

王者の風格すら感じさせました。

一つだけダメ出し。
試合中タッチを要求する場面と、
試合後のコメントで「拳王さん」とさん付けで呼んじゃった・・・
うっかりミスであってほしい。
せっかくチャンピオンとしてのイメージを固めるため、
決意して呼び捨てにすることを選んだのだから、
貫き通してほしいところです。

 

丸藤正道の自分探しの旅は続く

メモリアルマッチの一つとして対戦が実現した「丸藤vs小川」の一戦。

ずっと三沢選手のタッグパートナーを務めていた小川選手と、
三沢選手の弟子としてその遺伝子を継ぐ丸藤選手。

今の全日本プロレスの戦いよりも、
この2人が戦うことで、
当時の全日本プロレスの一部が垣間見れます。


派手な技はなくても、
リストの取り合い・テクニックの応酬だけで、
この日一番の会場の盛り上がりを作り出す、
素晴らしい試合でした。

コメントブースでの丸藤選手は
「疲れた」
「(小川選手とは)何回やっても勉強になる」と話した後、

「自分探しの旅は続きそうだ」と続けました。

丸藤選手から感じられたのは充実感。
そして、自分に足りないものをどん欲に吸収していこうとする姿勢。
先日のタイトルマッチで清宮選手に敗れはしたものの、
若手にすんなり道を譲るつもりはなさそう。

自分探しの旅がいつまで続くかはわかりませんが、
そう遠くない未来に、また壁として立ちはだかってくれそうです。

剛腕が描くノアの未来とは

もう一つのメモリアルマッチは「杉浦vs潮崎」。
過去に何度もGHCヘビー級を争い、壮絶な死闘を繰り広げてきた両者。
そんな経緯を踏まえてのマッチメイクだったのでしょう。

試合は、コーナー上からの「雪崩式オリンピック予選スラム」
杉浦選手がここ一番でしか出さない大技で、勝利しました。

試合後には

団体のロゴが変わろうが、マットの色が変わろうが、体制が変わろうが、新しい風が吹こうが、俺はベルトを狙うだけだから。それは絶対にブレないから。

と力強く話してくれました。
杉浦選手もまだまだノアに必要な存在。
年齢のことは言うと失礼になるのかもですが、あの肉体は脅威。
このコメント自体がファンにとって嬉しい発信になっています。


一方の潮崎選手。ツイッター

博多スターレーン大会、ご観戦ありがとう。
たくさんの思い出の詰まったスターレーン。
最後のスターレーンで杉浦貴との対決。
負けはしたが、俺は何度でも立ち上がってみせる。それは変わらない。


「雪崩式オリンピック予選スラム」を出さざるを得なかった、という事は、
それだけ試合が白熱したという事。
そこまでやらないと相手に勝てない程、お互いが粘ったという事。

なのになんで伝わってくるものがないのか。
両者のコメントを見て、はっきりとわかる違い。
それは、

<ベルトを狙う姿勢があるかどうか>という点に尽きると思います。

杉浦選手はこうも話していました。

「プロレスラーのなったのは、ベルトをとるため」
「新しい風とか騒いでるけど、またブン盗りに行くから」

まさに、潮崎選手の口から発してほしい言葉なんですよね。

試合中の気合いがみなぎった表情や技の説得力は申し分ないのだから、
後は試合後やコメントで決意を言葉にする努力、
ファンに期待を抱かせる努力をしてほしい。

その ”差” が埋められれば、
杉浦選手との試合は勝てたはずだし、
勝てば口も滑らかになるし、
自然とファンは期待を抱くのだと思います。

「何度でも立ち上がる」だけでは、
勢いのある若手と健在なベテランの間に、埋もれてしまいますよ!

潮崎選手が描くノアの未来を知りたがっているファンのために、
始めてベルトを戴冠したときの姿勢を、
ノアに復帰して「ノアの力になりたい」と宣言したときの決意を、
思い出してほしいと思います。