プロレスのミドコロ

プロレス大好きな管理者が、プロレスのミドコロを丁寧に解説

YOSHI-HASHIから感じられた変化、止めたオスプレイ旋風。3.20「NJC」準々決勝

BS朝日で、
新日本プロレスの4K放送とレギュラー放送が決定しましたね。

ますます勢いを増している感がある新日本プロレス
現在開催中である『NEW JAPAN CUP』も佳境に入ってきました。

いよいよベスト4をかけた争い。
3.20の大会を振り返りたいと思います。

 YOSHI-HASHIの印象に変化が

棚橋選手も認めるポテンシャル。
いいものは持っている。
観客を引き付ける「何か」も備えている。

でも期待に応えきれない。
強さよりも脆さを晒してしまう。

そんな印象をYOSHI-HASHI選手からは感じていました。

そして、言葉は悪くなるけれど、
たまに良い試合を見せる選手で終わっていくのではないかと、
そう思わざるを得ない雰囲気がありました。

何が足りないんだろう???


昨年9月、オカダ選手がジェイ選手にやられているのを助けようと、
救出に走った際に自ら転んで長期欠場。
復帰はした。
復帰を知らせた際の場内の歓声は大きかった。
でも、テーピングだらけのYOSHI-HASHI選手の動きは、
精彩を欠いていました。

試合を繰り返すことで取り戻すコンディション。
テーピングが外れることはないけれど、試合内容は良くなっていった。
エントリーされたNJC。
でも期待感は正直なかったと思います。

1回戦、対中西学選手。
YOSHI-HASHI選手は中西選手の付き人だったこともあり、
リスペクトが先に来てしまう。
「違うんだよ。今のあなたなら、中西選手は勝って当然なんだよ」
「もっと上から目線でいいんだよ」
と、どうしても拭えない違和感がありました。

2回戦、対チェーズ・オーエンズ選手。
「テメェ」「ぶっ倒してやる」
普段のYOSHI-HASHI選手が発しない言葉が、たくさん出てくる。
「何か違うぞ!!」
そう思いました。
相手は1回戦でUSヘビー級チャンピオンを倒し、
波に乗っているチェーズ選手だったけど、
なんとなく「イケるんじゃないか」という期待感を、
YOSHI-HASHI選手から初めて感じた瞬間でした。

期待感が周囲に変化をもたらしてゆく

予想通り、チェーズ選手には「カルマ」で快勝。
しかし次は、同門の石井選手。
実力・実績でいえば、明らかに石井選手が上。

「たぶんダメだろうな・・・」
これまでのYOSHI-HASHI選手であれば、そう感じていたと思います。
でも今回は違いました。

前哨戦から先に仕掛け、ひるむことなく打ち合う。
倒れてもすぐに立ち上がり、必ず一矢報いる。
「これだよ!YOSHI-HASHIに足りなかったのは!!」
「もしかしたら、次も・・・」

向かっていく態度と姿勢、そして表情。
きっとレスラーは、こうやって観客を認めさせていくんだろうな、
と思わせてくれたYOSHI-HASHI選手には感謝です。
だって、プロレスを最高に楽しむことができるから。

対戦相手の石井選手も、
そんなYOSHI-HASHI選手の変化を感じたのか。

2回戦、激闘を演じたタイチ選手との試合後のコメントでは、
対戦相手や試合内容には一切触れることなく、

「次はYOSHI-HASHIだな。面白くなってきた」

とだけコメント。

そして前哨戦では、これまでにないくらいの厳しさを、
YOSHI-HASHI選手に叩き込んでいました。

ここをピークではなく起点に

公式戦でも、前哨戦と同じく激しい打ち合い、我慢比べ。
パワーで押し込まれる場面が多かったけれど、
心は折れずに向かっていったYOSHI-HASHI選手。
バタフライロックはキツイかけ方をしていました。

結果は垂直落下式ブレーンバスターで石井選手の勝利。
でも決して簡単な試合ではなかったと思います。

この戦いを続けていけば、YOSHI-HASHI選手は必ず上に行ける。
遅咲きかもしれないけど、まだまだ可能性はある。
ファンにそう思わせるには十分すぎる大会だったのではないかと思います。

 オスプレイの底知れぬ可能性

以前の記事の中で、
「負けるたびに強くなる、ウィル・オスプレイ」と表現したことがあります。

pro-wrestler.hatenablog.com

旗揚げ記念日に、
惜しくもジェイ・ホワイト選手に敗れたオスプレイ選手でしたが、
敗れたことで、ヘビー級との戦い方にさらなるヒントを得て、
NJCでも好成績を収めるのではないか、と予想はしていました。

1回戦、対ファレ選手は丸め込みでの勝利でしたが、
2回戦、対アーチャー選手は、
必殺技「ストームブレイカー」で完璧な3カウント。

文句のつけようのない成績です。
新日本に参戦し始めた頃は、派手な空中殺法を多用することに対して、
「プロレスはサーカスじゃない」などと批判を浴びたこともありましたが、
完全に実力を認めさせた形になったでしょう。
総合的に見て、力負けしてないですから。

ケニー・オメガ選手をはじめ、多くの外国人選手が「AEW」へと移籍する中、
新日本プロレスへの恩義と忠誠心を語るオスプレイ選手。
オカダ選手に敗れ「NJC」はベスト8止まりとなりましたが、
まだまだ勢いを止めることなく、驚くような試合を連発してくれると思います。

なぜなら、負けたから。

オカダの強さを再認識

オスプレイ選手を止めたオカダ選手。
試合内容的には、カウント2.99の危ない場面も多くありました。

それでもここ一番で巻き返して勝利につなげるところが、
オカダ選手たる所以なのでしょうね。

勝ち方が、IWGPヘビー級 V12達成までの防衛戦に似てきました。
相手の良さを出しつつ、
すべて受け切り、
最後は「レインメーカー」で勝利。

正確には「戻ってきた」かもしれません。

かなりの期間IWGPヘビー級ベルトを保持し続け、
前哨戦・防衛戦を重ねV12まで積み上げた。
蓄積したダメージは絶対にあったはずなんですよね。

でもファンは「強いオカダ」を期待してしまうし、
それが当たり前になっていた。
だから「調子が悪い」「落ちぶれた」と見えてしまう。

昨年の6月にベルトを失い、早9か月。
なかなか結果がついてこないオカダ選手でしたが、
そろそろリフレッシュ完了でしょうか。
普通の「強いオカダ」が見れる頃かもしれないですね。


<準決勝決定カード 石井 vs オカダ>

まぁ、あまり説明はいらないでしょう。
素晴らしい戦いになることは間違いないですし、
どちらにも可能性はあると思います。
普段は見れないCHAOS対決というのも、大会ならではですね。