プロレスのミドコロ

プロレス大好きな管理者が、プロレスのミドコロを丁寧に解説

再び降り始めた「カネの雨」。オカダ・カズチカ NJC優勝!!

『NEW JAPAN CUP』優勝決定戦、

SANADA選手の夢を「レインメーカー」がへし折り、

オカダ選手の優勝。

主役となるべき男が新日本プロレスの中心に帰ってきました。

 苦難の日々

昨年6月の大阪城ホール
オカダ選手はケニー・オメガ選手に敗れ、IWGPヘビーのベルトを手放します。

勝負の方式は、ケニー選手が提案した3本勝負でした。
「たら・れば」を言っても仕方ないのですが、
あれが通常のタイトルマッチだったら、どうなっていたのか。
でも負けてしまったことは事実で、
「ベルトを持たないオカダ」をスタートさせなければならなくなりました。

チャンピオンから陥落すると、
重圧から解放されて自由に行動できるようになる部分もあれば、
本来の自分を見失い、リズムを崩してしまうこともあると思います。

オカダ選手は、思いっきり後者だった気がします。
風船を持って入場するなど、
変化を付けようとしている努力は伝わってくるものの、
常に身にまとっていた「強さ」が消えていきました。

8月のG1CLIMAX初戦。
当時CHAOSの同門だったジェイ・ホワイト選手と戦い、
なりふり構わぬファイトに敗れてしまいます。
ここから始まる「ブレードランナー」の脅威。

9月、棚橋選手とのIWGP挑戦権利証をかけた戦い。
逆指名を受けて臨みました。
初めて権利証が動くのではないか、と期待されましたが惜敗。
惜敗なんですが、棚橋選手の良い部分ばかりがクローズアップされ、
オカダ選手から発信されるものがなかった印象でした。

そしてジェイ選手・外道選手の裏切り⇒棚橋選手とタッグ結成
それでもうまく回らない。
1.4東京ドームはノンタイトル戦を戦うオカダ選手がいました。
そしてジェイ選手に完敗。

ただ一つだけ。
1.4東京ドームでオカダ選手が大きな歓声を集めます。
入場後にリング上でガウンを脱ぎ、腰巻を外した姿は、
強き日のオカダ選手を象徴するショートタイツ姿でした。

やっぱりみんな、「強いオカダ」を待ってたんですよね。

対戦相手に恵まれ復調

後ろから相手の腕を持って押し出し、
反動をつけて引っ張る勢いと、自らのラリアットの勢いを掛け合わせ、
威力を増大させる「レインメーカー

今となっては「その手があったか」と、
多くの選手が「レインメーカー式」の技を繰り出すようになりました。
そしてその分、警戒され対策されやすくなっていくのも事実。
レインメーカーを繰り出そうとモーションに入ってから、
返し技を喰らうことが多くなっていきました。

ベルトを落としてからは、オカダ選手らしい勝ち方を見ていなかった気がします。

しかし2月のバッドラック・ファレ選手とのシングルマッチでは、
苦手な相手でしたが「レインメーカー」で勝利。

やっと、シングルでレインメーカー決まったね。レインメーカーから3カウント。長かった…。

実感のこもったコメントでした。そして取り戻してゆく自信。

NJCでは、
1回戦 マイケル・エルガン選手
2回戦 マイキー・ニコルス選手
3回戦 ウィル・オスプレイ選手
準決勝 石井智宏選手

そこまで変化球がある選手たちではなく、
自分の信じる技を正面からぶつけてきてくれる選手たちでした。

オカダ選手にとっては、やりやすかったのではないでしょうか。
返し技の応酬は望むところ。
最後に「レインメーカー」を叩き込むのみ。

対戦相手に恵まれ、自信を深めていったような印象がありました。
そして、ここ数回の記事でも書いていますが、
IWGPヘビー級のベルトを防衛していた時の勝ち方が戻ってきました。

SANADAの美学を超えた、レインメーカーという美学

NJC決勝戦

初の栄冠を目指すSANADA選手は強かったです。
気合も入っていたし、
「Skull End」「ラウンディング・ボディプレス」という、
自身の技にこだわり続けながら試合を組み立て、
オカダ選手を追い込んでいました。

「頭から落とすだけがプロレスじゃねぇ~んだよ」

垂直落下式の技を組み込んだ方が、ダメージは与えられるのに、
「Skull End」から逃げられない確率も、
「ラウンディング・ボディプレス」が決まる確率も、 
絶対に上がるはずなのに、
あえてそれをやらないのがSANADA選手の流儀であり美学。

そこに「魅せる要素」を含めることができるようになってきました。
だからSANADA選手を応援する声が大きくなっていくんでしょうね。

それでも、こだわりぬいた「レインメーカー」は、
SANADA選手の夢をへし折りました。

いくら読まれても、いくら対策されても、
レインメーカー」で決めるという選択。
それはオカダ選手の流儀であり美学なのでしょう。

いざ、MSGへ

SANADA選手にとっては、間違いなくベストバウトといえる内容でした。

まだ31歳なんですよね。
最近は20代から結果を出すレスラーが増えてきたので
遅く感じるかもしれませんが、
昔は先輩レスラーの壁が厚かったので、
脂が乗ってきた30台になって初めてベルトを手にする、
というケースの方が多かったんですよね。

これからです、SANADA選手!
確実にファンの認知度・期待度は上がりましたよ。


そしてオカダ選手は、
4.6マディソン・スクウェア・ガーデンで、
ジェイ・ホワイト選手とIWGPヘビー級のベルトをかけて戦います。

2連敗している相手。
スニーキーな戦い方と一撃必殺の「ブレードランナー」を携えた
「スイッチ・ブレイド」は、
オカダ選手が読みづらい変化球を多く持ったチャンピオンです。

まずは連戦のダメージを抜いて、
万全コンディションでリングに上がれるよう、
コンディションを整えてください。

マディソン・スクウェア・ガーデンに、「カネの雨」を降らすために。

オカダ選手、おめでとう&お疲れさまでした!!