プロレスのミドコロ

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勝敗の読めない試合が続いた~「NEW JAPAN CUP」1回戦後半の振り返り~

記事の題名にもあるように、1回戦前半と比べると

「どちらが勝つかわからない」試合

が多く展開された後半戦。

pro-wrestler.hatenablog.com

個人的にはとてもワクワクしながら観戦することができました。

振り返ってみたいと思います。

 3日目

〇 棚橋 VS 海野


ヤングライオンの中から唯一抜擢・エントリーされた海野選手。

その理由は、お父さんが新日本プロレスの有名なレフェリーだから、
ではなく、
その肉体、技、眼光、ワイルドさ、などを評価されてのことだと思います。

棚橋選手と並び立っても、そんなに引けを取っているようには見えませんでした。

結果は、すべてを受け止めたうえで棚橋選手の貫録勝ち。
それでも単なるチャレンジマッチではなく、一方的な展開でもなく、
ちゃんと大会の1回戦として成立していたと思います。
(棚橋選手が意識的にそう見えるようにした部分もあるとは思いますが)

海野選手は
「棚橋選手を超えること」
新日本プロレスのトップに立つこと」を宣言しています。

棚橋選手の得意技であるテキサスクローバーホールドを繰り出すあたり、
並みのヤングライオンではありません。

この活躍を見て、他のヤングライオンにも火が付き、
盛り上がっていく相乗効果を期待します。

事実、第1試合に登場した「辻選手」は、
プロレス界の王様「鈴木みのる選手」に果敢に向かっていき、
エルボーの連打を浴びせる健闘ぶり。
その後、パイプ椅子で100倍返しされていましたが・・・

試合後のコメントでは、
「来年の1.4までにお前(海野選手)を倒す」と宣言。
これからのヤングライオンの戦いにも注目です。


〇 天山 VS 田口

 
随所にタグチ監督の良さが見られた試合。

どんな相手との試合でも自分のフィールドに持ってくるセンスは、
かつて「本店」とあがめていた「中邑真輔選手」に匹敵するレベルにまで
たどり着いている気がします。

最近はなぜか、相手選手から「ケツ攻撃」を喰らうことが多くなっています。
ヒップアタックの元祖である「越中選手」も喜んでいるのではないかと。


試合は、ヘビー級の天山選手の重量感あふれる攻撃に、
何とかタグチ監督が耐え、
天山選手が仕留めようと技を仕掛けたところ、
キドクラッチ木戸修という選手が開発し、命名)で丸め込んで勝利。

試合後は「タグダンス」も披露してくれました。

<2回戦決定カード 3.16 棚橋 VS 田口>

タグチジャパン同門対決です!!


〇 飯伏 VS 内藤


事実上の決勝戦、などとツイッター等でささやかれていた1戦。
1回戦の中での注目度は断トツでした。

当ブログでも、
飯伏選手の決断についての記事。

pro-wrestler.hatenablog.com


内藤選手の想いに関する記事。


pro-wrestler.hatenablog.com


双方の立場からこの1戦に注目していました。

結果的には飯伏選手の「決断」が上回ったかな、という感想です。

試合後のコメントでは、フリーから新日本プロレス所属になったことを、
何となく匂わせています。
「僕はちゃんと決めたんだ」と言わんばかりに。


一方、内藤選手は試合後ノーコメント。
「内藤選手は飯伏選手との試合が楽しみで仕方ない」と予測した私としては、
何かコメントを発してほしかったな、という印象。

しいて予想にこじつけるなら、試合中の表情が楽しそうだったこと。
普段のようにロックアップをすかしたり、アピールを優先したりすることよりも、
闘いそのもののやり取りを重視していた感じは受けました。
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンとなる前の内藤哲也の試合に近かったかもしれないですね。

それが何を意味するのか、その答えはもちろん・・・
今後のコメントに注目です。

参考までに、4日目の試合後の内藤選手のコメントです。

復帰明けの選手に負けて、非常に悔しいですよ。
~中略~
でも飯伏には、俺からの勝利を無駄にしてほしくないッスね。彼とはまた近いうち、対戦する機会がきっとあるはず……いや、きっとあるでしょう。その日が、いまから待ち遠しいぜ、カブロン!


〇 EVIL VS ザック・セイバー・Jr


ずっとヒートし続けているわけではないけれど、
長く因縁が続いている両者の対戦。

クリス・ジェリコの乱入による無効試合なんてのもあったけれど、
いつも一進一退の攻防で、どちらに転ぶかわからない好勝負が展開されます。


個人的には、EVIL選手の「対・ザック対策」は好きです。

パワーだけで押し切るわけでもなく、
同じテクニックという土俵で勝負するわけでもなく、
自分にできる両方を組み合わせて立ち向かっていきます。

戦うたびに両者の攻防が洗練されていく印象。


今回の試合は、とても長い名前の技でザック選手が勝ちました。
(技名は新日本プロレス公式サイトを参照)
ザック選手の関節技は「スゴイ」と思うのだけれど、
絡みついて、相手が動けなくなって、
仕方なくギブアップしたり、レフェリーが試合を止めたり、・・・

試合の終わり方として、時に「不完全燃焼」と思うのは私だけでしょうか。


<2回戦決定カード 3.16 飯伏 VS ザック>
昨年の「NEW JAPAN CUP」では、ザック選手に軍配が上がっています。
でも、今の飯伏選手なら乗り切れそうな予感。

 

4日目


〇 真壁 VS コルト・カバナ


最近、シングルでの結果がついてこない真壁選手と、
WWE、ZERO-1、NOAHでも活躍していた実力派外国人カバナ選手の1戦。

思っていたよりもカバナ選手の動きが良かったですね。
コミカルな動きも会場を捉えていたし、
真壁選手が最後までペースを握れなかった印象。

真壁選手が勝負どころ繰り出したキングコング・ニードロップを交わすと、
攻防の中でうまく真壁選手を倒し、
スーパー・マン(足を絡めての抑え込み)で3カウントをもぎ取りました。

 

〇 矢野 VS デイビーボーイ・スミスJr


昨年も両者はこの大会で対戦しており、矢野選手のリングアウト勝ちでした。
今年の前哨戦でも、
矢野選手がうまく丸め込んで勝利することが多かったように思います。

この日の試合では、パワーでかなわない矢野選手が、
リングに上がる前から会場内を走って逃げまわる作戦。

その後も矢野選手が仕掛けて、スミス選手がパワーで何とかしようとしますが、
少しインサイドワークに差がありすぎました。
最後は丸め込んで矢野選手の勝ち。

スミス選手は、正面から戦ったら誰も勝てないんじゃないか、というくらいの実力。
もう少しプロレス的な動きができてくると、脅威になると思います。

 

<2回戦決定カード 3.17 カバナ VS 矢野>
久々の真壁VS矢野のシングルマッチも見てみたかったのですが、残念。
それでもカバナ選手がかなり面白かったので、コミカルな技の応酬になりそう。
別の意味で期待大な試合です。


〇 小島 VS 鈴木


2人が全日本プロレスに上がっていた時から続いている因縁。

小島選手は、鈴木選手と対戦するときいつもやりにくそうですし、
実際に自身のブログでも「苦手」であることを告白しています。

鈴木選手はいつも通り、相手を認める発言は一切なし。
今年の1.4東京ドーム大会で第0試合にしか出場できなかったことに対して屈辱感を感じており、このトーナメントではあくまでも目指すのは優勝のみ。

「待ってろ、ジェイ・ホワイト

とコメントを繰り返していました。


お互いの良さが出た試合だったと思います。
特に小島選手のシングルマッチは久しぶりで、豪腕ラリアットも見れて良かったです。
どっちが勝ってもおっかしくなかったのですが、
最後はコンディションの差が出た感じで、鈴木選手の勝利となりました。

鈴木選手のスピード感はすごいです。50歳とは思えません!!
コーナーに振られたときに走っていくスピードに注目です。



〇 後藤 VS SANADA


後藤選手は「NEW JAPAN CUP」歴代最多3回の優勝を誇っており、
準優勝も3回している、とても縁起の良い大会。

一方のSANADA選手。
ほとんどコメントを発しませんが、身体能力の高さやレスリング技術から人気は高く、
そろそろ結果を残してくれるのでは、と待望論が根強い選手です。

この試合も両者の持ち味が出た、素晴らしい試合でした。
見事にメインイベントを締めてくれたと思います。
最後は観客の声援が多いSANADAのもとに勝利が転がり込みました。

SANADA選手もヘビー級タッグチャンピオンを戴冠したあたりから、
闘い方が自由に、やりたいことをやっている、そんな印象に変わってきました。
内藤選手の影響でしょうか。

試合後は、メインイベントの責任感からでしょうか、リング上でもコメントを残し、
バックステージでは力強く

「今年の『NEW JAPAN CUP』、誰が優勝するか、イメージしてみろよ。
SANADAだよ。実現させるよ」

と宣言してくれました。

 

<2回戦決定カード 3.17 鈴木 VS SANADA>
SANADA選手が鈴木選手にパラダイスロックをかけられるかどうか、
という裏テーマがある試合。
SANADA選手はこの試合を乗り切ると、
シングルプレイヤーとして1段上がりそうな気がしますが、果たして。