タグチ監督が「NEW JAPAN CUP」出場
毎年トーナメント戦で優勝者を決める大会で、今年は総勢32名のプロレスラーがエントリーしました。
その中の「デビッド・フィンレー選手」がケガで欠場となり、代わりに「田口隆祐選手」の出場が決定しました。
田口選手は、フィンレー選手の欠場が決まってから、異様なまでにトーナメントへの出場をアピールしていました。
その理由とは。
田口選手は新日本プロレス生え抜きのレスラーで、ずっとジュニアヘビー級(100㎏未満)を主戦場にしています。
入門当初からプロレスセンスがあり、IWGPジュニアヘビー級のベルトは2度戴冠しています。
また現在は世界最大の団体で活躍している「プリンス・デヴィット選手」と結成していたタッグチーム「Apollo 55」は、IWGPジュニアヘビー級タッグのベルトを何度も巻いたことのある素晴らしいタッグチームでした。
変化の始まり
田口選手に大きな変化が起きたのは、前述したIWGPジュニアヘビー級のベルトを2度目に戴冠した時のことでした。
プロレスのチャンピオンを呼ぶとき、そのチャンピオンがベルトができてから何人目のチャンピオンかわかるように
「第〇〇代IWGPジュニアヘビー級チャンピオン 〇〇(名前)」とコールされます。
田口選手が2度目にチャンピオンとなったときは、第69代でした。試合に勝ち、バックステージでのコメントで、田口選手は自らのことを「シックスナインチャンピオン」と言い放ちます。
その後もコメントを求められるたびに、何かと下ネタに絡めてコメントを発するようになり、レスラーとしての実力もさることながら、独自のキャラクターを確立していくようになります。
自由奔放なプロレスラー
新日本プロレスには実力のあるレスラー、キャラが立つレスラーがたくさんいますが、その中でも田口選手の存在感は1歩抜き出ています。
マスクマンの集まる大会では「ツタンカーメン」のマスクで試合をしたり、JRA(競馬)とのコラボでは、馬面をかぶり「マスクド・ホース」と名乗ってみたり。
またスポーツ界の「侍ジャパン」などに引っ掛けて「タグチジャパン」を結成。プロレスの試合なのに野球のようなブロックサインを出すなどして、ユニットメンバーを迷采配でコントロールする様子から「タグチ監督」と呼ばれるようになりました。
一方では、ふざけながらも真剣にチャンピオンに対して挑戦状を叩き付け、素晴らしいタイトルマッチを見せてくれたりもします。
本当に見ていて楽しませてくれるレスラーです。
「NEW JAPAN CUP」出場にこだわる理由
今年の1.4東京ドーム大会で、IWGPヘビー級チャンピオン「棚橋選手」が挑戦者「ジェイ・ホワイト選手」に敗れ、ジェイ・ホワイト選手がチャンピオンとなりました。
新日本プロレスは4月6日にアメリカMSG(マディソンスクウェアガーデン)でビッグマッチを開催することが決まっており、ジェイ選手の初防衛戦もそこで行われることが決まっています。
挑戦者は「NEW JAPAN CUP」の優勝者。
そして、ジェイ・ホワイト選手は「第68代IWGPヘビー級チャンピオン」。
もうお分かりですよね。
タグチ監督は「第69(シックスナイン)代IWGPヘビー級チャンピオン」を、虎視眈々と狙っているわけです。
ジェイ選手がチャンピオンになってからというもの、実はツイッター等では「田口選手を挑戦させろ」といったツイートが多くなされていました。ファンの方々も気づくのが早いですね。
きっとタグチ監督のことだから、そのツイートは見ていたはず。
なのに「空いた一枠にふさわしい、穴(欠場者)にちょうどいい棒のサイズは私でしょ」と欠場者が出てから出場を要求。
コメントを聞いていた記者にまで「そもそもケガ人が出る前からアピールすべきでは」と言われ、何も言えなくなる始末。
そんなやり取りもタグチ監督らしいので、OKなのですが。
3月4日(月)正式に新日本プロレスから、デビッド・フィンレー選手の代わりにタグチ監督が代打出場する旨の発表がありました。
タグチ監督の「NEW JAPAN CUP」トーナメント初戦は、3月10日(日)「天山広吉選手」と対戦します。
初戦を勝ったとしても、このトーナメントは無差別級の戦い。自分よりも大きい選手との戦いを、どのように勝ち上がっていくのか。
勝っても負けても、試合後にどんなコメントを残してくれるのか。
楽しみで仕方ありません。