プロレスのミドコロ

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清宮海斗の躍進は本物だった~新生NOAH、新しい景色へ~

3.10「GREAT VOYAGE 2019 in YOKOHAMA」

新生NOAH始まりの大会が行われました。

故・三沢選手が創設したNOAH。

三沢選手のトレードカラーである「緑」をイメージして、
ロゴマークもリングのカラーも、これまで全て「緑」を意識したものでした。

それらを全て一新。
新たな航海となる戦いを振り返ります。

 IT時代に即した情報発信へ

まず目についたのは、公式ホームページのリニューアル。

試合の様子の写真や試合後のコメントなど、かなり早いタイミングで見れるようになりました。

これまでのNOAHのホームページは、試合結果こそ割と早くアップされるものの、
試合後のコメントは、数日経っても更新されないことがありました。

この変化は、やる気がうかがえますね。

HPの全体も見やすくなった印象です。

一度覗いてみてください。

NOAH HP

 

4大タイトルマッチの開催

GHCヘビー、GHCヘビータッグ
GHCジュニアヘビー、GHCジュニアタッグ

現在NOAHにあるベルト全てのタイトルマッチをぶつけてきました。
どの試合も前哨戦からストーリーがちゃんと構築されていて、
分かりやすく見ることができたと思います。


その中でも、一つの偉業が達成されました。

田中稔選手」が「原田大輔選手」を破り、
GHCジュニアヘビー級のベルトを戴冠しました。
これで田中選手は、
国内主要団体のジュニアヘビー級のベルトは、ほぼ全て戴冠したことになります。
様々な団体を渡り歩いてきた、田中選手ならではの偉業です。
おめでとうございます。

40代後半でありながら、鍛え上げれた肉体は衰えを知りません。
試合後のコメントでは

「業界全体に響かせるベルトにする」
田中稔に任せとけ」

と力強いコメントを残してくれました。
新しいNOAHジュニアの戦い、期待していいと思います。

 

丸藤選手の「覚悟」が飲み込まれた日

メインイベントは、GHCヘビー級選手権。

チャンピオン「清宮海斗選手」 VS チャレンジャー「丸藤正道選手」


以前にも

清宮ゾンビの快進撃」、「丸藤正道の覚悟

という記事でこの1戦には触れてきました。

「強さも弱さも感じない」と様々な選手から評されながら、
何とか防衛を重ねてきた清宮選手。

そこに新たなチャレンジャーとして「天才」丸藤選手が登場。
丸藤選手からすると、叩き潰さないといけない戦い。
負ければ世代交代を強烈に印象付けてしまう戦い。

「負けたら(近々行われる)タッグリーグには出ない」と
自らを追い込んで迎えた1戦でした。

しかし結果は、

32分28秒、タイガースープレックスで清宮選手の勝利。

丸藤選手は「時代は俺を求めていなかった」と発言した後、
「ちょっと自分を探すよ」と、今後について時間が必要であることをほのめかし、
コメントブースから去っていきました。

 

丸藤選手の「覚悟」を飲み込んだのは、

「若さ」や「勢い」だけだったのでしょうか。

 

清宮海斗が本物へ!認めざるを得ない強さと結果

試合後、リングに現れたのは「拳王選手」。
清宮選手の兄貴分的な存在です。

アピールしたのは「挑戦表明」ではなく、

新しい景色へ向かうための「共闘宣言」でした。


NOAHの中で世代闘争を最初にぶち上げたのは拳王選手。

「いつまでも杉浦、丸藤の時代じゃダメなんだよ」と

自身が主役になるべく行動を起こしました。


言葉通りGHCヘビー級のベルトを巻きますが、
「杉浦選手」に敗れて王座を手放します。
超えられなかった壁、成し遂げられなかった世代交代。

昨年のヘビー級リーグ戦で、拳王選手は丸藤選手に勝利しますが、
世代交代を成し遂げた、と印象付ける形にはなりませんでした。


その杉浦選手を破り、チャンピオンとなった清宮選手。
前述の通り、「若さ」と「勢い」で勝っているように見えました。
しかし防衛を重ね、ついに丸藤選手をも下します。

拳王選手が成し遂げたかったこと、
それを先に後輩に奪われた格好です。

拳王選手が選んだのは、そんな後輩に再度噛み付くことではなく、

後輩「清宮海斗」の強さを認め、

新生NOAHを新しい景色に導くために、共闘していくことでした。

 

後輩に対し素直に「本当にくやしい」と話した後、

「こいつの言ってることも理解できる」と認めます。


このコメントは、清宮選手にとって

「結果」であり

「本物」である証となりました。

チャンピオンになってからというもの、
他のレスラーから肯定的な発言を得られていなかった清宮選手。

丸藤選手を退けたことで、まさに景色が変わりました。
周りが認めざるを得ない状況を、自らの手で作り上げることに成功しました。


「若さ」「勢い」「強さ」を兼ね備えた、

本物のチャンピオン「清宮海斗

会場の「大・海斗」コールが、今後の期待感をうかがわせます。

少しだけ心もとないマイクアピールは、拳王選手がフォローしてくれるでしょう。

新生NOAHの航海、かなり楽しみになってきました。